「アルバムの2曲目=スタンダードなロックンロールの曲」説 (03/11/08)
  
  また、例によって誰も言わないから僕が言うのである。
  と言ってもWEBで調べたりしないのだけど。


  世の中にはスタンダードなロック曲というものが
  存在する。上手くは言えないのだけれど、単純な
  コード進行で構成されていて、初期のロックンロ
  ール(チャック・ベリーとか)のうねりを含んだ
  エイト・ビートのリズムと、メロディよりも歌詞
  のリズムと語感を重視した歌とが織り成す楽しい
  世界。そして曲は短い。そんな感じで分かっても
  らえるだろうか。

  で、どういうわけか、アーティストの皆さんはこう
  いったタイプの曲をアルバムの「2曲目」に持って
  くることが多い。適当に例を挙げてみよう。(ただ
  し、ビートルズ以前は「アルバムは曲の寄せ集め」
  という考え方で作られていて、全体の起伏とかを
  イマイチ考えていなかったらしいので、ビートルズ
  より前のものはここでは考えません。)


  ■Sweet Jane(the velvet undergroud「LOADED」)*注1

  ■Rock'n'Roll(Led Zeppelin「W」)

  ■You Got Me Rockin'(the Rolling Stones「VOODOO LOUGE」)*注2

  ■サークル(羅針盤「ソングライン」)

  ■マシマロ(奥田民生「マシマロ」)

  ■ロックンロール我々「SONIC COMIC LOC」)


  こんな感じだ。「スタンダードなロック曲」というのに
  かなりこだわってもこれだけ挙がる。しかも、「ロック
  ンロール」と名がつくものがこの中にさえ3つもある。
  (羅針盤の「サークル」についても、ライブで山本精一
  が「ロックンロール!」と言っていたので、この曲を入
  れて4つとしてしまってもいいように思う。)ネーサン、
  これは事件ですよ。

  ただ、ここで注意しなければならないのは、「アルバム
  の2曲目」というのはシングル曲が多いということだ。
  「スタンダードなロック曲」というのはアーティストが
  比較的シングルカットすることが多いので、むしろここ
  では「シングル曲=2曲目」ということを議論すべきで
  はないのか?という反論があることに注意しなければな
  らない。図で言うと


  


  こうなんじゃないか、と。
  でも僕の意見はこうである。


  


  「スタンダードなロック曲」であるというだけで、
  十分「アルバムの2曲目」の座をゲットできる理由
  がある、ということだ。

  で、遅まきながら考察に入っていくのだけれど、
  まず「なぜ1曲目ではないのか?」ということを
  考える。これはおそらく「ストーンズみたいにな
  りたくねえ」的なものがあるのではないか。1曲
  目というのは、なるほどロックっぽい曲がふさわ
  しいように思える。冒頭からガツンと入っていく
  という手法は、全体の起伏を考えると効果的だし、
  実際ライブにおいてはそうやって始まるのがほと
  んどである。しかし、アルバムにおいて1曲目に
  「スタンダードなロック曲」を持ってくると何か
  「ベタ」なものがつきまとってしまう。大味な感
  じがしてしまうのだ。アーティストのインテリジ
  ェンスはそれを拒絶する。それを考えないのは、
  「オーイエー・ロック!」とか言ってればとりあ
  えずOKな、いわゆる愛すべきロック・バカの連
  中である。

  さて、1曲目がダメだと言うことになると、答えは
  もう2曲目しかない。なぜならこういう「スタンダ
  ードなロック曲」は冒頭の方に持ってくるほうが効
  果的だからだ。アルバムの中盤あたりにひょっこり
  現れても「なんだお前!」という風になってしまう
  だろう。

  じゃあ最後は?と言う人がいるかもしれない。これは
  まあまあいいかもしれない。しかし、アルバムの最後
  というのは、「壮大な」曲とか「長い」曲(例えばレ
  ッド・ツェッペリンの「天国への階段」)、または
  「ちょっとした曲」(ビートルズの「Her Majesty」
  とか)が好まれる。「さあ!始まるぜ!」的雰囲気を
  持っているのが「スタンダードなロック曲」である。
  その「スタンダード性」の純度が濃くなるほど、最後
  に持っていくことは難しくなるだろう。


  以上が「アルバムの2曲目=スタンダードなロック
  ンロールの曲説」の全貌です。「ふざけんな!」とか
  「それってアナタがそういったアーティストが好きな
  だけじゃないですか?もっと幅広く音楽聴いた方がい
  いと思いますよ?」とか、「そういえばこの曲も2曲
  目だよね」っていう意見のある方は掲示板へどうぞ。
  ふう。


  *注1・・・
   「LOADED」はルー・リードがベルベッツを去ってから誰か
   さんが勝手に編集したということなので、このアルバムの
   曲順に関してはアーティストの意向が入っていない、と言
   ってもいいかもしれない。しかし、ベルベッツの1st2曲
   目が「Wating For My Man」、3rd2曲目が「What Goes On」
   で、それぞれスタンダードなロック曲っぽいのを入れている
   ので、そこんとこは勘弁してください。

  *注2・・・
   文中でも述べたが、ストーンズは1曲目に「スタンダードな
   ロック曲」を持ってくることが圧倒的に多い。ブラウン・シ
   ュガー、ロックス・オフ、スタート・ミー・アップなど1曲
   目としてはベタ中のベタである。しかし、こういった知性を
   感じさせないロック・バカぶりが世間に受けたし、受けるの
   だろう。「You Got Me Rockin'」を2曲目に持ってきたのは、
   そろそろ老いも回って少しは知性がついたという証だったの
   だろうか。ちなみに僕にとって最初のストーンズ・ナンバー
   は、この「You Got Me Rockin'」である。

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